審美歯科の相談室(泉崎ファミリー歯科)

インプラントの構造

インプラントってどれくらいもつの? 材質は何で出来ているの?

目次

インプラントはどれぐらいもつの?

1.単純な統計での裏付け 

1990-2000年に岡山大学の研究
インプラント
10年生存率

上顎前歯86%
上顎奥歯78%
下顎前歯96%
下顎奥歯97%

と言う研究があります,

トータル182本のインプラントの本数です。

これは、インプラントのフィクスチャー(インプラント体、人工歯根)と呼ばれるネジが、残存しているかと言うものです。

インプラント体、人工歯根
(この土台になる部分、人工歯根とも言います)

 

上顎や下顎、または前歯奥歯の場所によって、なぜこんなに大きな違いがあるのでしょうか?

上顎の骨と下顎の骨は緻密性が違います。
上顎の骨の方がスカスカで、骨と結合する(インテグレーションする、と専門用語でいいます)ことが難しいためです。
下顎の骨は皮質骨という硬い骨です。

緻密性の違いにより、骨と結合する時間は違うといわれ、上顎5か月、下顎2~3か月の待機期間をへて上部構造(うわもの)を装着します。

上部構造のトラブルは結構あります。上部構造の様式による差異もありますし、かみ合わせや歯並び、歯周病からくるトラブルもあります
また、インプラントは骨と直接くっついていますが、歯は骨と靭帯でつながっています。
歯周病にもなります。そのため、インプラントはかわっていなくても、となりの歯が歯周病で変化し、上部構造がゆるくなることがあります。

そのため、単純な統計の数字を発表して不安をあおるよりはケースバイケースで主治医の先生に説明をうけるほうが良いかと思います。

 

2.この統計で考慮されていないこと

この統計では、部位(上顎、下顎、前歯、奥歯)については考察があるのですが、歯並びやかみ合わせの力、歯周病についての考察はありません。

インプラントって何でできているの?

インプラントの構造

 

1:シリンダー部分 
インプラント体、人工歯根

チタンでできています。古くはサファイアなど色々な素材が使われていました。

形もL字のプレートのようなもので、除去する際に大変苦労したことも。。。

ここ20年はチタンでシリンダー型が主流になり、どのメーカーも同じような表面性状
材質です。

ジルコニアインプラントというものも登場していますが、まだまだシェアは少ないこと、ジルコニアである必然性も感じません。

チタンは生体内で安全につかえる(親和性が高い)ので金属アレルギーの方も問題ないことも多いです。(パッチテストは皮膚科に紹介しておこなっています)

 

 

2:アバットメントといわれる中間部分

インプラント2次手術


チタンやジルコニア、ゴールド、パラジウム
前歯は見た目を考慮してジルコニアにすることが多いです。

 

 

3-上部構造

インプラント上部構造


貴金属の上にセラミック、フルジルコニア、ジルコニアレイヤリングセラミックなど加工法は様々です。
セラミックやゴールドが再表層だとかみあわせの力にも安心です。

まとめ

 Q:インプラントってどれくらいもつの?
A:インプラントは基本的に90%以上もつ。

・しかし、上部構造(かぶせもの)のトラブルはもうすこし多い。
・そのトラブルも、大きな問題とならないものもおおい(簡単な修正ですむ)

ちなみに、トラブルの原因は、歯並びやかみ合わせの力、技術的な問題と様々のため、主治医にリスク説明を受けることが大事です。

Q:インプラントって何でできているの?

A:3つの構造に別れており、詳細は下記の通りです

1:シリンダー部分
→ チタン、ジルコニア

2:アバットメントといわれる中間部分
→ チタンやジルコニア、ゴールド、パラジウム

3:上部構造
貴金属の上にセラミック、フルジルコニア、ジルコニアレイヤリングセラミックなど加工法は様々です。

Picture of この記事の執筆者<br>泉崎ファミリー歯科 院長<br>下所 由美子 (げしょ ゆみこ)

この記事の執筆者
泉崎ファミリー歯科 院長
下所 由美子 (げしょ ゆみこ)

2008年
日本歯科大学卒業、琉球大学医学部付属病院歯科口腔外科研修

2011年
同仁病院歯科口腔外科勤務

2013年
ふくざと歯科医院勤務

2016年
うちま歯科医院勤務

2019年
泉崎ファミリー歯科 開院

2021年
グロービス経営大学院MBA 卒業

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